映画制作には、たくさんの人が関わり、たくさんの人の協力が必要です。
多くのキャスト・スタッフをはじめ、撮影お手伝い、エキストラ、ロケ地関係者
(「星めぐりの町」の多くは豊田市内の実際の場所で撮影されます)、
キャスト・スタッフの食事や宿泊のお世話―――
映画を作ると、たくさんの人の出会いと繋がりが生まれます。
映画が誕生して100年余、映画は、最も庶民的な芸術であり娯楽であり続けています。
「自分の住む街が大きなスクリーンに映し出されて、自分の知っている場所でストーリーが紡ぎ出されたら・・・」
と考えるだけでワクワクします。
豊田でこれだけの規模の映画撮影が行われるのは初めてのこと。
2017年秋には豊田市駅前にシネコン(複合型映画館)もオープンします。
映画が全国公開されれば、多くの人が豊田の撮影場所を見学に訪れるでしょう。
そう、映画作りは、まちづくり。豊田市がこの映画をきっかけに
豊かな自然と文化を持った映画のまちになることを願っています。
監督・脚本/黒土三男 出演/小林稔侍 高島礼子 壇蜜 ほか
ストーリー
豊田の山あいで豆腐屋を営む初老の男・島田勇作。
勇作の作る豆腐はそんじょそこらの手作り豆腐とは月とすっぽん、味が違う。
そこにはものづくりの魂があった。
そんな勇作の元に東日本大震災で家族を失った一人の少年が引っ越してくる。
遠い親戚の勇作を頼ってきたのだ。
大きな悲劇の後で固く心を閉ざした少年と、無口で実直な男の暮らしがはじまる。
豊田の自然と街並みの中で繰り広げられる、「ものづくりの魂」と「こころの復興」を描く感動の物語。
2011年3月、東日本大震災が起こりました。
千葉県浦安市にあった自宅は半壊し、私は姉や兄を頼って豊田市に移り住みました。
豊田市に来たのは初めてではありません。40年も前からしょっちゅう遊びに来ていました。
だから豊田の町のことはよく知っていました。
「そうだ、豊田の町を舞台にして、映画を作ろう」そう思ったのは、ごく自然なことでした。
この映画に登場するのは、偉い人でも何でもありません。ごく普通の人々です。
企業に勤める人、農業や漁業を営む人、商店街で働く人、米屋さん肉屋さん八百屋さんなどなどです。
映画の舞台となる場所も、町、山、川、田んぼ、会社、工場・・・などごく普通の風景です。
そんな豊田の普通の場所と普通の人々が織りなす感動的な映画にしたいと思っています。
クスクス、ゲラゲラ笑って、けれど次第に涙がぽろぽろ流れ、
映画が終わっても席を立てない、いや立ちたくない、
そんな映画を作りたいと思っています。
黒土三男監督プロフィール
1947年3月3日生まれ。熊本県出身。
立教大学法学部卒業後、木下恵介プロダクションに助監督として2年間所属。
以後独立してフリーの映画監督、脚本家として活躍。現在豊田市在住。
【監督作品】 「オルゴール」(89年) 「渋滞」(91年) 「英二」(99年)「蝉しぐれ」(05年)
【テレビドラマ脚本作品】 「オレゴンから愛」(84年) 「親子ゲーム」(86年) 「とんぼ」(88年)
「愛おしくて」「居酒屋もへじ‐母という字‐」「「ふつうが一番~作家・藤沢周平 父の一言~」(2016年)